小さな町の小さな喫茶店 カフェ・ド・シュロ

「読売ランド前駅」から3分の隠れた名店

喧噪とは無縁の時が流れる隠れ家カフェ

「読売ランド前駅」北口の大通りを渡り、住宅街を斜めに走る細い道を歩くこと約3分。
喧噪から離れたY字路に、築50年のアパートの一角をリノベーションしたカフェが突如表れる。
アイビーの緑に覆われた外壁に掛かる看板に「カフェ・ド・シュロ」の手書きの文字。
この目印が無ければ通り過ぎてしまうほど、周りの景色に馴染んでいる。
店名にもなっている「シュロ」の木を抜け、懐かしい木製の引き戸をガラガラと開けた先には、黒光りした木の床とショーケースの中のケーキたち、フロアを取り仕切る岸山さんのあたたかな笑顔が出迎えてくれた。

地元産の食材で甘さ控えめな優しい味を

1階のショーケースには、定番の「ガトーショコラ」「レアチーズ」「リコッタチーズ」に加え、季節の素材を使ったフルーツケーキやタルト、プリンなどが並ぶ。
全てパティシエが腕を振るった一品だ。「宮前区の稗原でとれた卵は濃厚な味わいなので、ケーキやプリンに使っています」と岸山さん。
この日は、ちょうどレアチーズケーキをいただいたが、甘さ控えめな優しい味わいで、いくつも食べられそうだった。
ティータイムには、ほかにも3種類の焼きたてパンセットがいただける。
ドリンクは、コーヒーメニュー、紅茶メニューのほか、ソフトドリンク、アルコールやカクテルなど品揃えも充実。
ランチには、ドリア、カレー、ピザをメインに、サラダ・デザート・コーヒーor紅茶がつく。
自家製野菜が登場することも。カレーは数種類のスパイスを使って5時間以上かけるこだわりよう。
夜はビールやワインに合う食事やつまみも楽しめる。

引き継いだ焙煎機でこだわりの味を再現

入り口手前にある年季の入った焙煎機が目に付いた。聞くとオーナー自らオリジナルブレンドを焙煎しているという。
オーナーは地元生まれ、地元育ち。
「小さな町の小さな喫茶店」を目指して、築50年のアパートの一角をリノベーションし、地域密着型のカフェをオープンさせた。
いまでこそ当たり前になった「リノベカフェ」がまだ一般的になる12年も前のことだ。
仕入れ先のご主人の死をきかっけに、オーナー自ら焙煎機を引き取り、試行錯誤の末、惚れ込んだ味を再現した。
現在、「トランサイド珈琲」として店内で味わえるほか、豆だけの購入も可能だ。

地元密着型のカフェを

1階から店内を見上げると吹き抜けがあり、白い梁が巡らされた天井と書籍が整然と並ぶ2階の様子が目に入った。客席はこの2階がメイン。
三面に大きく窓が取られ、明るく開放的な雰囲気だ。
センスの良いユーズドの家具がほどよい距離間で置かれ、心を落ち着けてゆっくりくつろげる。
書棚の本は自由に閲覧可能。
また1階の奥にはグランドピアノもある貸しスペースを併設。
ミニコンサートや展示会、教室なども開催され、地域に開放されたコミュニティスペースとして利用されている。

ふらっと立ち寄れる安心感

リフレッシュしたいとき、心落ち着けたいときに、ふらっと立ち寄りたい「隠れ家カフェ」。
地元にこういうカフェがあると思うだけで不思議と安心できる。
テラス席と店内の一部ではペットもOKなので、犬の散歩中に立ち寄ってみてはいかが。

カフェ・ド・シュロ

川崎市多摩区西生田1丁目20−1 ランドハイツ1
TEL : 044-953-5436
営業:11:00~14:00(ランチ)、14:00~17:00(ティー)
   17:00~21:00(ディナー) ※金曜・土曜は23:00まで
定休:月曜・火曜
※祝日は営業
※各種、宣言等の発令に伴い変更の場合有
https://www.instagram.com/cafe_do_shuro.2009/